イタリアで事業活動を行うことを検討する場合に事前に知っておきたい、法人の事業活動の税について紹介します。
法人所得税(IRES:Imposta sui redditi delle società)
基本税率は24%。これは企業の純利益に課されます。控除やインセンティブが利用できるケースがあります。
地方生産活動税(IRAP:Imposta Regionale sulle Attività Produttive)
地域や業種によって異なりますが、基本の税率は 3.9%(2024年の場合)です。州ごとに、最大0.92%まで税率を上げることができます。業種としては金融業や保険業の税率は高く設定されています。企業の純生産額に適用され、給与支払額など控除できない経費があり、赤字年度でも支払いの義務があります。
最も税率が低いのは、トレンティノ=アルト・アディジェ州の2.68%で、最も高いのはカンパーニア州と茂リーゼ州の4.97%です。イタリア南部は税率が高めの傾向があります。
個人事業主には適用されません。
付加価値税(VAT税、イタリア語ではIVA)
日本でいう消費税に近いものです。標準税率は22%で、軽減税率が設定されている商品やサービスの例は下記の通りです。
4%:必要不可欠な食品、飲料、農産物や、新聞やラジオ等のサービス、社員食堂や学校給食、義肢および補助具、他
5%:海上都市輸送サービス、生理用品、乳幼児用ミルク、医療用品、他
10%:肉・鮮魚、お茶、米、小麦粉、サラミ類、家庭用の電気やガスの供給、医薬品、特定の商品やサービス、建物のリフォーム、他
地方生産活動税(IRAP)は、事業者から嫌われている税かもしれませんが、地域の医療を支える原資となっています。また、付加価値税(IVA)は、現地で役務を提供する場合や、越境ECなどで商品を現地の消費者に販売する場合は現地拠点のない日本法人にも関係しますので、取引を始める前に事前確認をしておくことが大切です。